安倍首相が省庁による天下り斡旋の禁止を指示したといいます。
大変結構なことで、ぜひ実現して欲しいと思いますが果たしてうまくいくのでしょうか。
公務員の再就職は人材バンクを通じて行うというのですが、省庁のお土産のない公務員など一体誰が雇うのでしょう。
昔、総合商社の住友商事だったと思いますが、社内ベンチャーで自社の社員を対象にした人材斡旋ビジネスを立ち上げたことがありました。
総合商社の社員は一流大学を卒業し仕事もできる有能な人材が揃っていると自負し、ベンチャー企業や中堅企業などからは引く手あまたであろうと思ったようです。自社のリストラにも役立ちます。
ところが実際やってみるとオファーはほとんどなかったようです。住商という大企業の金看板を背負って商売をやってきた人間など、ほとんど何もないところから自分自身で開拓していかなければならない中小企業では役に立たないと経営者はわかっているからです。
年功序列で省内での競争もなく、当然省庁ですから外部との売上げ競争など経験したこともなく、何か新しいことをしょうとしても、出る杭は打たれるで何もできず、前例踏襲を続けてきた公務員など民間企業が積極的に雇うのでしょうか。
現在でも公務員の人材バンクはあるのですが、何年もやって今まで就職が決まったのは一人だけというのが実情です。
公務員も年功序列をやめて能力主義にするということですが、役人根性がそう簡単にかわるとも思えませんし、外部との競争がないことにかわりはないし、絶対に倒産しないのも確かです。
公務員に優秀な方が多いのも確かですが、もし現在のシステムを変えていくなら、省庁と民間企業の人材交流をもっと進めて互いに理解しあわなければ再就職は難しいのではないでしょうか。