2007年4月13日金曜日

頭から否定しないで聞いてみてはどうでしょう。

横浜ベイスターズの投手の協定違反の契約金について問題になっています。
西武の裏金問題といい、最近プロ野球のドラフト制度や希望枠について改善が必要だと言われています。

こういう時になると必ず出てくるのがスポーツライターとかコメンテーターという輩です。
彼らの金科玉条は「アメリカでは」とか「サッカーでは」などというものです。
今回も「アメリカでは完全ウエバー制でやっているから日本も」などと言っています。

もともとドラフト制度や契約金の上限の規制は、戦力の均等化や選手の年棒の高騰の抑制などを念頭においたものと思いますが、ウエバー制を実施しているメジャーリーグの現状はどうでしょうか。
松坂のレッドソックスの所属する、ア・リーグの東部地区は、毎年のようにヤンキースとレッドソックスの優勝争い、デビルレイズの最下位争いと決まっています。

選手の年棒もA・ロッドの年俸は実に30億円ほどで、その他の一流選手の年俸も軒並み高騰しています。
これは考えてみればあたりまえで、ウエバー制で有望な新人を確保できなかった人気球団や金持ち球団は、金にあかせてFAやポスティングシステムで良い選手を獲得しょうとするからでしょう。
松坂や井川の例をみても明らかです。
巨人軍を金で選手をつれてくると批判するメディアやスポーツライターたちは、なぜかヤンキースのことはオールスター軍団などとほめそやします。
もう少し客観的な基準をもって批判できないものかと思います。

日本ではもう巨人一辺倒ではなく、ソフトバンクや日本ハムなど地域に根ざした人気球団も出てきていることもあり、いっそドラフトなどやめて自由競争にしてはどうでしょう。
自由競争にすると選手の年俸が高騰すると心配する向きもありますが、アメリカの例を見てもわかるように、ウエバー制にしても同じことです。

むしろ実績のあるFA選手を獲得する金額に比べると、いくら有望であってもプロでの実績のない新人選手獲得にかかる金額の方が安くつくでしょう。
新人選手も自分の希望する球団に入れるので、FA宣言して出て行く比率も少なくなるかもしれません。

要するに新人に金をかけるか、ベテランに金をかけるかの違いで、総額にそれほど違いはないように思います。
スポーツライターたちが悪鬼の如く忌み嫌う巨人の渡辺会長が言いたいことは案外こんなことなのではないかと思ってしまいます。
渡辺氏のいうことも頭から否定しないで冷静に考えてみたらどうでしょう。