今年もまた野球シーズンが近づいて来ました。
松坂のレッドソックス入団もあってメジャーリーグは例年以上に楽しめそうです。
それに比べて日本のプロ野球は、TVの視聴率がこのところ急激に落ち込んでいるようです。
プロ野球離れの原因は色々あると思いますが、私は野球中継のアナウンサーの技術的な問題も一因ではないかと思っています。
試合展開は画面で勝手に見てくれとばかりに、試合の実況というよりは解説者と野球座談会みたいに関係ない話をグダグダと話している。
野球の醍醐味はピッチャーとバッターの1球ごとの真剣勝負にあると思いますが、そんなときにも、この選手の練習はどうとか、監督がどう言っていたとかだらだら喋っています。
これではスタジアムの興奮も、試合の緊張感もさっぱり伝わらず、しらけるばかりです。
こんな気の抜けた実況は野球だけで、サッカーでもラグビーでももっと試合に没頭した実況をしています。
昔、TBSのあるアナウンサーはテレビとラジオの実況は違うのだといって、試合の実況はほとんどせず、スタンドでのビールの売り方とかを延々と話していたことがあります。
スポーツの実況中継というのをまったく理解していなかったのではないかと思います。
同じTBSでも昨年亡くなった渡辺謙太郎アナは本当に上手で、渡辺アナが実況するとその試合が何倍も面白く感じました。
元日テレアナウンサーで今フリーの徳光和夫さんは昔プロレス中継の実況をしていました。
その時のメーンのアナウンサーは清水さんという人でした。
清水アナは英語も堪能で、外国人レスラーが放送席に乱入してマイクを奪い英語でまくしたてた時など、予備のマイクで「デストロイヤーは今度大阪で馬場に会ったら、やつの足をへし折ってやるぜと言っています。」などと通訳してくれました。
まだ少年だった私は、デストロイヤーはそんなことを言っていたのかと感心してみていました。
徳光アナが実況していたあるとき、またデストロイヤーが放送席に乱入し、マイクを奪ってがなりたてました。徳光アナ必死に予備のマイクにしがみつき「デストロイヤーがマイクを奪って何事か言っています。ワタクシには何を言っているのかサッパリわかりません。」
ダメだこりゃ。