2007年2月28日水曜日

恐るべし!? 小樽商人

昨日のテレビで、私の生まれ故郷の小樽には餅屋が多いという話題を取り上げていました。今は9軒程に減ってしまったが、一時は100軒位あったとのことです。
確かに小樽は人口の割には餅屋が多くて、テレビで取材をしていた店の主人も私の小学校の同期生です。

小樽港が本州から入ってくる米の玄関口だったことが餅屋の多い理由の一つだといいます。
北海道でもまず最初に栄えた小樽には他にも団子屋や洋菓子店などの老舗がたくさんあります。札幌でも有名な洋菓子店「きのとや」や「パールモンドール」なども、元は小樽の「館」から別れていったものと云われています。

小樽商人は不況に強く、好況に弱いと言われてきました。
バブル期などでも、思い切った投資になかなか踏み切れず、大儲けはできませんが、こつこつ稼いで、不況の時にはその蓄えでじっと景気の良くなるのを待つという姿勢です。

良い物を作っているのにパフォーマンスが苦手で損をすることも多いような気がします。
運河近辺の観光スポットでも、小樽とは縁もゆかりもない本州の洋菓子店が小樽ブランドを使って人気になっているのを指をくわえてみているようです。

札幌のミニコミ誌がある時小樽特集をやりました。小見出しで、「おそるべし、小樽商人」とうたって、小樽の商店がプラスチック製のソリを「スノーボード」といって売っていると揶揄していました。
これはその記事を書いた記者の知識不足で、もともと北海道の子供用のソリは木製のゴツイものがほとんどで、プラスチック製のソリが出たのはずっと後です。

小樽では木製のソリと新製品のプラスチック製のトレイのようなソリを区別するために「スノーボード」と名づけたのです。もちろん今一般にいわれるスノーボードが登場するずっと前のことです。
小樽のスノーボードの方に優先権がある訳ですが、それでもやはり北海道の古都小樽には時間が止まっているのではと感じさせることが多いようです。

徳光アナ たのむでぇ~

今年もまた野球シーズンが近づいて来ました。
松坂のレッドソックス入団もあってメジャーリーグは例年以上に楽しめそうです。
それに比べて日本のプロ野球は、TVの視聴率がこのところ急激に落ち込んでいるようです。
プロ野球離れの原因は色々あると思いますが、私は野球中継のアナウンサーの技術的な問題も一因ではないかと思っています。

試合展開は画面で勝手に見てくれとばかりに、試合の実況というよりは解説者と野球座談会みたいに関係ない話をグダグダと話している。
野球の醍醐味はピッチャーとバッターの1球ごとの真剣勝負にあると思いますが、そんなときにも、この選手の練習はどうとか、監督がどう言っていたとかだらだら喋っています。
これではスタジアムの興奮も、試合の緊張感もさっぱり伝わらず、しらけるばかりです。
こんな気の抜けた実況は野球だけで、サッカーでもラグビーでももっと試合に没頭した実況をしています。

昔、TBSのあるアナウンサーはテレビとラジオの実況は違うのだといって、試合の実況はほとんどせず、スタンドでのビールの売り方とかを延々と話していたことがあります。
スポーツの実況中継というのをまったく理解していなかったのではないかと思います。
同じTBSでも昨年亡くなった渡辺謙太郎アナは本当に上手で、渡辺アナが実況するとその試合が何倍も面白く感じました。

元日テレアナウンサーで今フリーの徳光和夫さんは昔プロレス中継の実況をしていました。
その時のメーンのアナウンサーは清水さんという人でした。
清水アナは英語も堪能で、外国人レスラーが放送席に乱入してマイクを奪い英語でまくしたてた時など、予備のマイクで「デストロイヤーは今度大阪で馬場に会ったら、やつの足をへし折ってやるぜと言っています。」などと通訳してくれました。
まだ少年だった私は、デストロイヤーはそんなことを言っていたのかと感心してみていました。

徳光アナが実況していたあるとき、またデストロイヤーが放送席に乱入し、マイクを奪ってがなりたてました。徳光アナ必死に予備のマイクにしがみつき「デストロイヤーがマイクを奪って何事か言っています。ワタクシには何を言っているのかサッパリわかりません。」
ダメだこりゃ。

2007年2月26日月曜日

フロッピーディスクから泡が出る?

任天堂のWiiやDSの売れ行きが好調のようです。
今でこそコンピューターゲームで世界的な企業になった任天堂ですが、元々は明治22年に創業した花札をつくる会社でした。
大統領のブランド名の花札を知っている方も多いと思います。
私は任天堂の花札以外の花札は見たことがありません。
TVゲームに進出したとき、花札を作る技術がコンピューターゲームに生かされているのだと、まことしやかに言われました。

花札は全ての札が均一に作られていなければ、裏を見ただけで表がわかってしまう。
だからその技術がすばらしいのだというのです。
技術がすばらしいのはわかるけど、なんでそれがTVゲームに結びつくのかはよくわかりません。それよりも、光線銃とかのおもちゃも作っていたので、そっちの技術ではないかと思うのですが。
今はどうかわかりませんが、洗剤メーカーの花王は、OEMを含めてフロッピーディスクで大きなシェアを占めていたことがあります。

洗剤で汚れを落とすための細かな泡の技術がフロッピーディスクを作るのに役立つのだそうです。
当初は洗剤メーカーの商品ですので、使ったら泡が出てくるんじゃないかと揶揄されたそうです。
デジカメの普及で写真用のフィルムが売れない富士フィルムでは、写真用フィルム製造の技術をいかして、工業用(例えば、液晶のディスプレイ)のフィルムを作って、DPE業界の不況の中で大変な利益を上げています。

これらは、本業の技術を使ってうまく他の業界に転出できた例ですが、この陰には何倍もの失敗例があるのだろうと思います。
私などはその失敗例の方に興味があるのですが。

2007年2月24日土曜日

ジョージ・ハリスンは東北訛り?

今日2月24日は元ビートルズの誕生日です。
ビートルズにちょっと詳しい人なら、ジョージの誕生日は25日じゃないのというかもしれません。実は出生届けは25日になっていますが、本当に生まれたのは24日の11時42分で、いまでは24日とすることが多いようです。

ビートルズ時代のジョージは、どちらかというとジョン・レノンとポール・マッカートニーの影に隠れていて、あまり目立ちませんでした。
でも、ビートルズが解散して、それぞれがソロアルバムを出してみると、ジョンとポールがビートルズとの決別を意識した曲作りになったのに比べ、ジョージのアルバムが一番ビートルズ風のサウンドなのに驚きました。海外でも評判が良かったようです。
あらためてビートルズにおけるジョージの存在感を認識したものです。

ギターのテクニックはあまり評価されていませんが、エリック・クランプトンは「ジョージ・ハリスンは最も実力の割りに評価されていないギタリストの一人だ」と言っています。
私は「ビートルズフォーセール」の頃のサウンドが一番好きです。
ジョージはリバプール訛りがいつまでも抜けず、いつもジョンにからかわれていたといいます。

ところで、リバプール訛りってどういう訛りなのでしょう。ちょっと考えてみました。
ビートルズの4枚目のシングル曲「She loves you」をきくと、LOVEがロブときこえます。後の「愛こそはすべて」のころにはラブと発音しているようです。もしかするとこれでしょうか。ジョージの場合は「Tell me why」のコーラスでmeがメェにきこえます。歌を唄うときは意識するので、千昌夫でも吉幾三でも普通より訛りが出にくいみたいですが、ジョージの最初の自作の曲「Don’t bother me」でもミィエともききとれます。

また一番はっきりと訛りがわかるのは「Do you wont to know a secret」(作曲はジョン)の歌詞”Listen”はリスンではなくて、どう聞いてもレッスンにきこえます。
こういうのがリバプール訛りなのでしょうか。
もしそうならリスンがレッスン、ミーがメェ まるで東北弁のようですね。
ジョージは2001年の11月29日に肺がんのためになくなりました。
できるならばもう一度あのグレッチサウンドを聞きたかったです。

2007年2月23日金曜日

雨の日はちょっと真面目に。

今日は札幌は2月には珍しく昼前から雨が降っています。
今年は北海道も暖冬で例年と比べて雪が少ないようです。
だいぶ前に読んだ本に,雨の日が嫌いになったら歳を取ってきた証拠だと書いてありましたが果たしてそうでしょうか。

長嶋監督でなくとも、大抵の人は天気の良いほうが好きでしょう。
以前、雨の日の方が好きだという人の話をきいたことがあります。
その理由は、雨は皆に平等でやさしいからというものです。

「天気が良ければ、幸せな家族は行楽に出かけ、仲の良いカップルはデイトをし、健康な人はスポーツをやり、人気のある商店は売り上げが伸びるでしょう。でも皆が皆、幸せで健康で、人気のある店ではありません。雨が降れば、皆平等に家の中に閉じこもり、また流行っている店も、そうでないところも売上げにそう差がでません。」などと言っていました。

まあ一理はあるかもしれませんが無理がある、やはり変な理屈です。
他人が不幸になったからといって自分が幸せになる訳ではありませんよね。
でも、自分も含めて日本人の心の中には、そのように考えがちところがあるような気がします。
日本人は皆が平等に不幸ならいいけど、だれかが努力してお金持ちになったりすると、その人に対して嫉妬心から批判したり足を引っ張ったりする傾向があるようです。
出る杭は打たれるというやつです。

政府は生活保護世帯の母子加算のカットなど,保護費の削減をめざしています。
理由は、一生懸命働いていても年収が少ない人達とのバランスを考えてというものですが、これは本末転倒で、一生懸命働いている人達の生活が楽になるようにするのが先ではないでしょうか。
これでは「皆で一緒に貧乏になりましょう」と言っているような気がします。
安倍総理だけにやるべきことが“安倍こべ”だったりして。(^_^;

2007年2月22日木曜日

WGはホワイトゴールドです。

昨日は宝飾品は今はあまり財産としての値打ちがなくなってきていると書きました。
もちろん買った時期やお店、品物にもよりますが、通常ですと売却する場合は買った時の値段の一割で売れれば良いほうでしょう。
宝石の中には石自体には、ほとんど値段がつかないものもあります。
例えば、アメシストやブルートパーズ、シトリントパーズ、トルコ石などは玉は大きくてもあまり価値はありません。

買取価格はほとんど台に使っている金やプラチナの地金の値段になってしまいます。
因みにブルートパーズは透明なトパーズを熱処理などで色をつけたものですし、シトリントパーズは同じくアメシストに熱を加えて黄色に変えたものが多いのです。インペリアルトパーズですと多少価値はあるようです。

金やプラチナはお金と一緒なのでいつでも相場で売ることができます。
相場を知りたければネットで田中貴金属工業にアクセスすれば金とプラチナと銀の今の値段がわかります。ただしこれは例えば金ですと24金のインゴットの価格です。
一般の装飾品は18金で作られているのでこの75%の価格、さらにジャンク扱いですので数%安くなります。

通常、一般の方は質屋さんやリサイクルショップに売りにいかれるとおもいますが、お店によってマージンが違うので注意が必要です。
質屋さんたちは集めた貴金属を専門の業者に転売するのですが、その時のマージンが一割と考えるところもありますし、ひどいところは5割以上もとるところもあります。
持ち込む重量によっては何万円も違うことがありますので、できれば何件か見積もりを取ったほうがよいでしょう。
金やプラチナであれば壊れていようが汚れていようがデザインが古かろうが半端であろうがかまいません。

ただし金歯は買わないところが多いようです。
金張りや金メッキもだめです。
刻印にGFとあったら金張り、GPはグランプリではなくて金メッキですので確認してみてください。
WGはホワイトゴールドですので問題はありません。
HGはハードゲイ、RGはリアルゲイですの当然だめですね。
最近出てきませんね。(^_^)

2007年2月21日水曜日

婦人物のスーツが売れません。

グリーンジャンボの宝くじを買いました。
もともと宝くじを買うのはお金持ちになるためだと思うのですが、宝くじを買うたびに貧乏になっていくと感じるのは私だけでしょうか。

最近婦人物のスーツがあまり売れないようです。
理由はライフスタイルが変わってきたことが大きいと思います。
前は街に出たり、食事や旅行に行ったりするときにはスーツに着替えておしゃれをしていく方が多かったようです。

ところが今はどこに行くにもジーパンとTシャツでOKになり、わざわざスーツ着替えることがなくなってきています。
スーツを着ているのは保険屋のおばさんだけみたいになってしまいました。
スーツが売れないということは、それにマッチしたバッグや靴、宝飾品も売れなくなるということです。
ケリータイプのハンドバッグは売れなくなりエディターズバッグやショルダーバッグのようなものが人気です。靴もスニーカーのようなカジュアルのものが売れています。
メーカーとすればバッグや靴はカジュアルのスタイルに切り替えていけばよいのでまだましですが、大変なのは宝飾品業界です。

カジュアルのスタイルに合うアクセサリーは従来からの宝石の品質やグレードにこだわったものではなく、デザイン性を重視したものになってきています。
おかげで単価はどんどん下がってきています。
もちろん宝石は財産にはならないということがわかってきたのも一因ですが。

宝飾品の業者が集まっている東京の御徒町では毎日のように店をしめるところがあるともききます。
ライフスタイルが変わってしまうと、個人や一企業の力ではどうしようもなくなってしまうことも多いです。
デジカメの普及で町のDPEの店は深刻な状況ですし、家具業界では鏡台や婚礼箪笥が全く売れなくなってきました。

日本の伝統工芸も売上げに苦心しているところも少なくないようです。やはり現代のライフスタイルにもマッチした商品を開発していかなければ立ち行かなくなるかもしれません。
誰かが「うちは300年も同じやりかたでやっている。」と自慢するのは300年も何も努力していないと言っているのと同じだと指摘していました。

やはり伝統工芸にもイノベーションが必要だということでしょう。
でも最近は新しい試みをしている職人さんも多く、この先は楽しみです。

2007年2月20日火曜日

ティファニーで朝食は食べれませんから。

当店のお取引先の京都の五明さんはティファニーの仕事もされていました。
五明さんの技術が世界のティファニーにも認められているということで、すばらしい事だと思います。
ティファニーといえば日本でもオードリー・ヘップバーン主演の映画「ティファニーで朝食を」で一躍有名になりました。

日本人観光客の中には本当にティファニーまで朝食を食べにいった人がいたとか。
ティファニーに限らず、日本人の海外ブランド品はよく知られています。ルイ・ヴィトンの売上げの半分以上は日本人によるものだと言われていますし、シャネルのギャランティーカードはフランス語、英語とともに日本語で書かれていることをみても、いかに日本人が上得意であるかがわかります。
こういうと必ず「日本人は訳もわからずブランド品を買っている。本当の価値などわかっていないのだ。」と言う人がいます。

私は必ずしもそうは思いません。
コピー品でも安ければ買うという人はともかく、むしろ日本人は良いものだとわかっているから一流ブランド品を買うということもあるのではないでしょうか。
日本人は物のつくりにこだわります。箪笥などでも、引出しを抜いて、本体の内部にまで桐が張っていないと気がすまない人も多いのです。

そうでなければ、ルイ・ヴィトンの売上げの半分以上を日本人が買うということにはならないのではないのでしょうか。
ルイ・ヴィトンやエルメスをお使いになったことがある方なら、その作りやデザインの良さはおわかりになると思います。
特にエルメスは縫製の良さもさることながら、革製、布製を問わず、日焼けによる色落ちなども少ないように思います。一体どのように作られているのでしょうか。

もっとも値段も目の玉が飛び出るほど高いです。
海外ブランド品にこのくらいのお金を出せるなら、日本の伝統工芸品にももう少し目を向けて欲しいと思っている職人さんも多いのではないでしょうか。

前述のティファニーに本当に朝食を食べに行った日本人がいたという話を友人のK君に話したら、K君は真顔で「そうかぁ、ティファニーはディナーだけかぁ」

このような人間が日本の恥を世界中に撒き散らしているのです。
6カ国協議で日本だけ孤立するはずです。(^^;

2007年2月19日月曜日

開店しました。 よろしくお願いします。

この度、和の心 夢戯屋を開店いたしました。どうぞよろしくお願いいたします。
私のようなアナログ人間がネット上でショップを持つなど、数年前には考えもしなかったことです。
しかしながら、好むと好まざるとにかかわらず、IT化、デジタル化の流れは止めることはできないでしょう。

その一方で、古来からの日本の伝統工芸は売上げの減少や後継者不足で消えていくところも多いようです。
日本の伝統工芸には本当にすばらしいものが多く、私にもこんな経験があります。私の母親は古い硬貨を集めていて、あるときデパートのコイン商が硬貨を高価買取するという広告を見て、この機会に売ってしまおうということになりました。

普 通このような場合、広告に出ている買取価格は最高の状態のものであり、大抵はずっと安い価格になってしまうものです。でも私たちが持っていった硬貨はその 最高の価格で買ってもらえました。店の方も、どのように保存していたのか不思議そうに聞いてきました。普通はシミや変色が出るものだそうです。

そ のときは解らなかったのですが、後に家具業界に入ったとき、その理由がわかりました。母親は硬貨を桐ダンスに入れて保存していたのです。桐ダンスは、木自 体が湿気を吸ったり吐いたりして、内部を常に最高の状態にして、中の着物などを守ってくれます。また、火事などにあっても、桐ダンスは真っ黒に焼けても中 の着物は無事だったという話もよくききます。

桐ダンスが硬貨を最高の状態に保ってくれたのだと思います。
このようなすばらしい箪笥を持っているのは、おそらく日本人だけでしょう。
その他にも、陶磁器、漆器、絵画など日本の伝統工芸にはすばらしいものがたくさんあります。伊万里焼がマイセンに大きな影響を与えたのは承知の事実ですし、浮世絵がなければロートレックやゴッホの名画も生まれなかったかもしれません。

和の心 夢戯屋では現代にもマッチした日本の職人の技をご紹介していきたいと思っていますので、どうぞよろしくお願いします。